TouchDesignerとの出会いからこれまで

Touchdesigner Advent Calendar 2016というもので何か書くことになり、TouchDesignerとの出会いからこれまでを簡単にまとめてみようかと思います。

 

2006年にIAMASという学校に行きまして、そこではMax/MSP/Jitterを習っていました。MaxもTouchDesignerと同じノード型(線をつなげてプログラミングする)での開発環境で、いわゆるオーディオビジュアルとか、インタラクティブなもので良く使われています。

社会人をやっていましたが本格的に勉強するしかないという思いで、ほぼMaxを習うためにIAMASに行った感じです。それも30過ぎて。。

 

Maxは3つの開発環境から成り立ってます。こんな感じです。

Max→ベーシックなロジックを組むもの+MIDI
MSP→音響合成(シンセが作れる+サンプラーみたいなのも作れる)
Jitter→映像(2D+3D(OpenGL))を編集したりジェネレートしたり

今はMax7になって上記の名称は統合されたようです。

 

基本的にはJitterを使ってプログラミングをしていました。また、今と違ってマシンスペックも低かったので、3Dでリアルタイムにというのは、ちょっと厳しかったですね。

そんな環境で作品を作っていたのですが、卒業制作の中間発表時にCGコースの先生(超有名な方)から、辛辣な意見を頂きました。。作品についても言われましたが、環境としてはJitterは限界があるとかいろいろ。確かにCGコースの過去の卒制とか見るとDirectXで凄いことやってたりしてたので、それと比べるとそうだよなと納得する感じで。。

 

で、別のCGの先生がこんなソフトあるから試してみたらと言って見せてくれたのが、TouchDesignerでした。

デモを見たときに、「なんだこれ!?」っていう衝撃が走ったのは覚えてます(誇張じゃなくて)。サイケデリックな仏像?がMIDIコントローラーでグニョグニョ動くという謎のデモでした(笑)。オーディオに反応して動いたりっていうのも出来るしで。当時はTouchDesignerのバージョンが017で、TouchMixerという今で言うPlayerみたいなものと別になっているパッケージになっていました。

今でもここからダウンロードできるみたいです。
http://www.derivative.ca/wiki088/index.php?title=017_Legacy_Tools

ライセンス使っていいからということで、しばらくいじってはみたものの、さっぱりわからない(笑)。今は、チュートリアルも充実してるから覚えられるけど、当時はYouTubeとかにもあがってないしで。凄いとは思いつつも、覚える時間と卒業制作にかける時間を考えるとTouchDesignerは使えないなと断念し、卒業制作はMax/MSP/Jitterで作りました。

 

卒業後は、Webの仕事をしながらインタラクティブな事もしつつで、それらは相変わらずMaxで作っていました。都内のクラブイベントとか、有名デザイナーさんのインスタレーションとか。そういう活動をしていく中で、アップルストアでのイベントでテッドさんに出会いました。その業界ではかなり有名な方で、TouchDesignerで検索してこのページで勉強したかたも多いと思います。
http://ted-kanakubo.com/proceduralism/

イベントの打ち上げで見せてもらったのが、なんとTouchDesignerでした。
しかも意味不明なバージョンアップで017の次で077という。。

これを見た時に「あっ、今だったら使えるかも」と感じて商用ライセンスを買ったと記憶してます。テッドさんの他にも、Iさんという方に親切にして頂きまして、開発元のDerivativeと繋げてもらったのもこの頃だったかな、多分。IさんはDerivative代表のGregさんとも親しくて、いろいろとフォローしてくれました。メールの英訳とかもしれくれましたし。。

 

ちょっと脱線。これがあったので英語を覚える必要がありと感じて、だいぶ真剣に勉強しました(笑)。数行の英文メール書くのに2時間かかるのはヤバイなと思ったので。。今ではDerivativeのBenさんとかとも日常会話は英語でコミュニケーションできるようになったので!

 

それからTouchDesignerを勉強し始め、077を現場で初めて使ったのは「映像作家100人」のリリースパーティーでした。某デザイナーさんが掲載され、そのサポートでVJシステムをTouchDesignerで構築することにチャレンジしました。(テッドさんにもかなり手伝ってもらいました。ありがとうございました!)

 

どんな経緯でなったのかは覚えてないのですが、福笑いVJという画期的な内容(笑)。TouchDesignerで何が出来るかということと、iPhoneが出始めた頃だったのでそれを使ってというところからスタートしたと思います。

 

システムはこんな感じです。

MacBookPro 1(BootCampでTouchDesigner)
MacBookPro 2(Modul8でVJ)
iPhone×5 (TouchOSC)
V-4(映像ミキサーでTouchDesignerとModul8を切り替え)
ビデオカメラ

 

ビデオカメラでお客さんの映像をPCに取り込み、目、鼻、口、手のパーツをメンバーがiPhone(OSC経由)でコントロールしてお客さんの顔に重ねるという福笑いVJ。MacBookProをWi-Fiのルーターに設定し、メンバーがフロアで踊りながらVJをするというシステムも当時は先を行っていたと思ってます。2009年頃だったような。

これが、ものすっごく盛り上がりました。
この様子をアーカイブした写真はDerivativeのサイトで勝手に使われてましたし。
(映像は細切れのものが手元にあるので、見たい人には見せます(笑))

確かこの時は、3D Studio Maxのモデリングデータ(アニメーション付き)も読み込んで使ったので、TouchDesignerは凄いなと改めて思いましたね。

 

その後、プロジェクションマッピングバブル?に乗り、TouchDesignerを使用して幾つかの仕事をすることになりました。KantanmapperというモジュールもDerivativeが出してくれたので、かなりやりやすかったです。

 

某ショールームでの展示やイベントなども077で行えたのですが、ちょっとバギーなところもあり落ちることもあったので、信頼性でいうと正直不安なところもあったのが事実。また、32bitバージョンしかなかったので。この時はMax/MSPと同時に使うことが多かったと記憶しています。信号のやりとりはOSCにすればスムーズにいっていたので。

次のバージョンアップで088になったときに、かなり安定して仕事に使えるなと感じました。64bitに対応したのとPythonが使えるようになったりなど。この時はTscriptからPythonになって戸惑ったのと、CHOP Exportの方法が変わってしまって焦ったのを覚えてます。

バージョンアップというかビルドナンバーでかなり安定しているものと、ちょっとどうかなというのがあり、お客さんのところに入れるものに関しては安定しているものをいれるようにしています。088だとBuild32840が良い感じです。保守でいじるときにちょっと戸惑うことがありますが、安定して動いているというのが重要なので古いバージョンも手元においてます。

 

088になってからは、イベント、展示、ライブなどで大活躍中です。来年には099がリリースされて、Mac版も出るようなのでより身近になりそうですね。Mac版ではKinectとかOculusとか使えませんが。。

3ボタンマウスは必須なんですが、Benさんが使っているトラックボールを先日のサイバーマンデーで購入しました。これ使いやすいです。

antymark 松波

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